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自作FPVドローンを業務で利用する際の合法性チェックポイント
先にまとめ:確認すべき3つの書類
発注を検討する際、まず確認していただきたい点は次の3点です。
1、リモートID対応機体かどうか(機体登録済み+リモートID搭載)
2、国交省の許可・承認書類があるか(航空法の遵守)
3、総務省の無線局免許状があるか(電波法の遵守)
注意すべきは、「国家資格を持っている」だけでは手続きが完了していないという点です。
たとえば「三級陸上特殊無線技士」の免許があっても、それだけでは合法にはなりません。
航空法:機体登録と飛行許可
FPVドローンの業務利用には、まず航空法の要件を満たす必要があります。
- 重量100g以上の機体は登録必須
→ 国交省に機体登録し、リモートIDを搭載。外付けユニットでも可。(リモートIDなしは、100g未満でなければ航空法違反(特例を除き)となります) - 自作機は「国が認めた型式ではない」ためゴーグルでの飛行は目視外飛行になるので、許可承認申請。
→ 特に業務で多い「人口集中地区での飛行」なども一緒に許可承認が必須。 - 実務上の確認ポイント
制作会社としては「国交省からの許可承認書類のコピーを見せてもらう」ことが確実です。

電波法:無線免許と開局手続き
FPVドローンはゴーグルとVTX(映像伝送装置)で無線通信を行うため、電波法の規制も受けます。
DJIのドローンと異なり、遅延が少ない特殊な周波数帯を利用するため、開局の手続きが必要になります。
また、趣味利用と業務利用では手続きが異なるため注意が必要です。
- 趣味利用
・アマチュア無線4級以上を取得
・総務省へアマチュア無線局の開局申請 - 業務利用
1. 第三級陸上特殊無線技士以上の免許を取得
2. 技適を取った業務用VTX(映像伝送装置)を搭載
3. 免許+VTX情報で総務省に開局申請を行い、無線局免許を取得 - 無線局免許状が、業務の自作ドローンの「電波を出して良い」という手続きが完了している書類となります。
日本国内で業務利用できるVTX(映像伝送装置)
- デジタル:DJI Air Unit(ただし対応ゴーグルが終売・入手困難)など
- アナログ:BORDAC HN10T、FrSky SCOUT VS600 MINI
→ 発注時には、実際に「どのVTXを使っているか」最終的な書類「無線局免許状」を確認することが肝要です。

依頼の際に見るべき書類一覧
- 機体登録が済んでリモートID対応しているか
- 国交省の許可・承認書(特に目視外飛行)
- 総務省の無線局免許状
これらが揃って初めて、「合法に飛行できる自作のFPVドローン」といえます。
参考:弊社での対応例
弊社では、航空法の機体登録制度開始前から運用しており、リモートID特例や99g以下のマイクロドローンによる合法運用も可能です。
また、航空法・電波法いずれの手続きも完了済みで、安心して発注いただける体制を整えています。