ブログ

DJI Mavic 4 Pro 半年使用レビュー

発売当初は、DJI Mavic 3 Pro Cine と使い分けながら運用していくだろうと考えていました。
状況によっては、Mavic 3のほうが出番が多くなるかもしれない、とも書いていました。

しかし半年が経ち、実際の現場での出動比率は大きく変わりました。

現在は、Mavic 4 Proが約8割、Mavic 3が約2割という体感です。

なぜここまで比率が変わったのか。

結論から申し上げると、

無理をしなくても、安定して良いカットが残るようになったから。

言い換えると、
**「楽をして撮れ高が上がった」**というのが、最も正直な実感です。

その理由を、順を追って整理していきます。


1|28mmと70mmが“同じデータ”で撮影できる安心感

Mavic 4 Proの大きな特長のひとつが、

  • 28mm(4/3型センサー)

  • 70mm(1/1.3型センサー)

この2つのレンズを、同一解像度・同一フレームレート・同一カラーモードで撮影できる点です。

これまでの機種では、

  • レンズごとにLog特性が異なる

  • フレームレートが揃わない

  • 色味のニュアンスが微妙に違う

といった“わずかなズレ”がありました。

撮影時には大きな問題でなくても、編集段階で確実に影響します。

Mavic 4 Proでは、そのズレがほとんどありません。
タイムラインに並べたとき、自然に繋がる。

この安心感は、想像以上に大きいものでした。

結果として、編集時間が短縮され、
素材の扱いやすさが向上し、
全体のクオリティが安定します。


2|28mmの懸念を、70mmが補完する

以前のレビューでは、24mmより28mmはやや狭いため、

引きじりがない現場では被写体が入りきらない可能性がある

と書きました。

理論としては正しいと思います。

しかし実際の現場では、

  • 後ろに下がれない

  • 飛行可能エリアが限られる

  • 被写体に寄れない

といった制約が多くあります。

そこで活きてくるのが70mmです。

離れた位置から圧縮効果を使って構図を作ることができるため、
無理に引いたり、無理に寄ったりする必要がなくなりました。

結果として、構図の成功率が上がり、
安定して“使えるカット”が残ります。

これもまた、撮れ高が上がった理由のひとつです。


3|飛行挙動がイメージに近い

半年使用して特に感じているのが、飛行挙動の安定感です。

Mavic 3と比較すると、
加速や減速、旋回の収まりがより素直で、

「こう動いてほしい」というイメージに近い挙動をしてくれます。

もちろん、
DJI Inspire 3 のようなシネマドローンと同等というわけではありません。

しかし価格帯を考えると、非常に高い完成度だと感じています。

操作と結果のズレが少ないことは、
撮り直しの減少につながります。

これもまた、現場の負担を減らしてくれました。


4|長時間バッテリーがもたらす“余裕”

飛行時間の長さも、実際の現場では大きな意味を持ちます。

  • 演者の動き出しを空中で待機できる

  • 電車や車など一発勝負の被写体を空中で構えられる

  • 持ち込むバッテリー本数が減る

単に長く飛べるというよりも、
焦らずに撮影できるという心理的な余裕が生まれました。

焦りが減ると、判断が安定します。
判断が安定すると、カットの質も安定します。


5|ProResとAll-Iについての考え方

フォーマットの違いも整理しておきたいポイントです。

  • DJI Mavic 3 Pro Cine → ProRes対応

  • Mavic 4 Pro → H.264 All-Intra(All-I)

ProResで撮影できない点は、確かにネックになり得ます。

ただし、地上カメラが
Sony FX3 などの場合、
All-I運用が主流であることも多く、空撮素材も整合が取れます。

そして、RAWやProResが求められる案件については、
最初からINSPIRE 3を使用します。

現在の運用は、

  • ライト案件 → Mavic 4 Pro

  • 中間案件 → Mavic 3

  • ハイエンド案件 → INSPIRE 3

という形で、役割を明確に分けています。

フォーマットの問題は、機体の階層で整理している、という考え方です。


6|送信機 DJI RC Pro 2 の完成度

最後に、何度も触れていますが、
DJI RC Pro 2 の存在は非常に大きいです。

  • モニターが大きい

  • とにかく明るい

  • 屋外でも視認性が高い

露出やフォーカスの確認が正確に行えます。

さらに、

フルサイズHDMIが送信機の下側から出る設計になっているため、
外部モニター接続時もケーブルが邪魔になりにくい。

実際の現場では、この使い勝手の差が積み重なります。

正直なところ、
現時点でこれを上回る送信機はないと感じています。


まとめ

■ 半年後の出動比率
Mavic 4 Pro:約8割
Mavic 3:約2割

■ 出番が増えた理由
・28mmと70mmを同一データで撮影できる
・編集効率が向上した
・70mmにより構図の成功率が上がった
・飛行挙動がイメージに近い
・長時間バッテリーで余裕が生まれた
・RC Pro 2の使い勝手が圧倒的に良い

■ フォーマットの整理
・ProRes/RAWが必要な場合はINSPIRE 3
・All-Iでも実務上問題ない案件が増えている
・案件ごとに機体を使い分けている


Mavic 4 Proは、派手な革命ではありません。

しかし確実に、
現場の負担を軽くしてくれました。

無理をせずに、安定して良いカットが残る。

その積み重ねが、
出番が増えた最大の理由だと感じています。